お子さんに「最近不整脈がひどい」と言われたらどうしますか? 遠隔期の問題①
先天性心疾患を持ったお子さんがある程度成長すると、術後の合併症として不整脈などの自覚症状が現れます。
その自覚症状を親に訴えた時は本人はどんな気持ちなのか、どのように親に対処してほしいのか。
そのことについて書いていきたいと思います。
早く答えが知りたければ「だったらなんて言えばいいの?」という場所まで飛んでください。
自覚症状を言われたらどうしますか?
先天性心疾患を持ったお子さん(中高生が多いと思われます)に「最近不整脈がひどい~」と言われたらどのように答えますか?
①ちょっと体調がよくないだけだから治るよ!
②次の外来の時に聞いてみようか
これは人によって結構割れると思います。
深刻に思ってほしくないからあまり気にしないでほしいという思いから軽めのテンションで話したい、という思いからの言葉。
本人が言ってきたならとりあえず先生に聞いてみるのに越したことない、という思いからの言葉。
答えから言うと患者側からの意見としては後者です。
その理由や、なぜ前者の答え方がよくないのかをこれからまとめていきます。
自分の深刻さを知ってほしい!
これは僕だけの意見ではなく、僕の周りの先天性心疾患を持った人の意見もあります。というかそっちの方がメインかもしれません。それを知ったうえでお読みください。
親に自分の自覚症状を伝えた時には限界なのです!!
何ヶ月、下手したら何年も自分の中でため込んでいる症状なのです。
もう耐えられない、もう限界、という気持ちになると、とうとう自分の中に閉じ込めておくだけではなく他人に言うようになります。
この場合に「大丈夫大丈夫」などど言われても「いやいやあなた自分の状況も知らないのによく言えるね」という気持ちになります。
だったら自覚症状が出た時に言いなさいよ!
ごもっともです笑
それを踏みにじるようで申し訳ないのですが、言う勇気がないのです。
何で言う勇気がないの?
何でと言われると少し困ってしまいますが、言ったところであまり重く受け止めてくれない、逆に重く受け止められてしまうと、勝手に想像してしまいます。
あとは、普通の人の状態が分からないのでこの症状が心臓のせいなのか、それとも普通の人にもあり得ることなのか、自分にもわからないのです。
その状態で自覚症状を伝えたところで自分の病気を気にしている、と思われたくない気持ちもあります。
勇気を出して言ってもやっぱり重く受け止めてもらえないことが多いのです。
最初は重く受け止められても、感覚的なことなのでうまく言葉で伝えづらく、理解されないからなのか、気持ちの問題だとか言われたり、生活習慣の問題だとか言われたりする印象です。
その感覚的なことを無理に理解しろとは全く思いません。
普通の人では無いような症状ですし、理解できないのは仕方がないと思ってます。
ただ、言い方は考えてほしいです。
生活習慣がいけない、だとか気持ちの問題だ、とか本人もその可能性を考えていたから症状が軽いうちに親に言うこともありませんでした。「もうこれは違うな」と確信してから親に言ったのに、また同じことを言われるのが気分的に良くないのです。
だったらなんて言えばいいの?
一緒に原因を考えてほしいわけではなく、本人は先生に相談したいという気持ちです。
その前段階として親に伝えているだけであって、何かして欲しいという感情はありません。
簡単に言うと軽めに済ませてほしいんです。
「そっか~。ひどくなったら先生に聞いてみれば?」みたいな感じ!
そっか~。(少しの相槌)ひどくなったら先生に聞いてみれば?(少しの気にしてるよアピール)
冷たいと思うかもしれないですが限界になった本人はこれを求めています。
少なくとも僕と僕の周りにいる心疾患患者の方は。
禁句は「生活習慣のせいじゃない?」「気持ちの問題だよ大丈夫」です。
重いこととして受け止めてほしくないという気を遣った思いが伝わってくるのですが、この状況になった自分には言ってほしくない言葉です。
理想は
僕の思う理想は、普段から病気のことを言える環境を作っておくことです。
病気のこと以外にも日常である悩みなんかも簡単に言えるような環境を作っておくことが一番の理想だと思います。
ただ、それは本当に難しいと思います。僕がそうしようとしても出来る自信がありません。
なので、先ほど書いたことのように答えられればいいんじゃないかと思います。
少し自分の話になってしまいますが、僕の家では普段から病気のことについて軽く親に言えるような環境ではありませんでした。
それは今でも何とも思っておりませんし、だからと言って親を恨んだりなんかは全くしておりません。
僕の両親は僕を病人だと思いたくなかったのだろうし、僕にも思ってほしくなかったのだろうと思います。
それが良いのか悪いのかは別として、そのように考えている方なら病気に関してのこと普段から体調を気遣うことについて抵抗がある方もいるかもしれません。
それをどうこうとは言いませんが、成人以降、この病気を持った人は体調が悪くなっていったり、再手術をしいなければならなくという方がほとんどですので、いつかは「病人なんだ」という意識を持つ日が来ると思います。
これだけは知っておいて欲しいです。
前者のほうがいいときもある。
ただ、私はは前者のように「大丈夫だよ」重いこととして受け止めないような言い方をされてよかったなと思うことがあります。
それはアザができた時や転んだりして出血してしまった時です。
出血した時は「あっそうなの。押さえて押さえて~」みたいなに接してくれました。
ワーファリンを飲んでいるとアザや出血が心配という相談や質問をよくいただきます。
出血したら圧迫して、止まったら放置。
でどうにかなるんです。
小学校の頃は転んで出血したり、頭を打ってたんこぶが出来たりすることも結構あったのですが、それによって病院に行くほどになったことがありません。
知らないうちにあざが出来ることも数えきれないくらいありますが、放置。です。
このような場合は「何でころんじゃったの!血が出てるじゃん!」」のように重く受け止められるような言い方をしてしまうと転ぶことが怖くなって運動をしなくなるということもあり得ます。
転んでも出血して結構大丈夫なのでバンバン運動させてあげましょう。
出血をさせない努力よりも出血したらどのように対処するかということを教えてあげ、それを何も言わなくても実践してもらえるようにする努力をしましょう。
まとめ
最後は少し話がずれてしまいましたが、お子さんから「最近不整脈がひどい」などど先天性心疾患の手術をした後発症するの症状を訴えられたらどのように返答するのが正しいのかを記事にしました。
簡単に言えば先生に丸投げしちゃいましょう。
親御さんは少しの相槌と一言の気にしてるよアピールで大丈夫です。それ以上のことは必要ありません。
僕のフォロワーさんには先天性心疾患を持った子どもの親御さんがたくさんいらしゃるのでその子どもさんが大きくなった時の参考になったらうれしいです。
それまでこのブログは更新してなくても残ってるとは思います笑
それではまた。